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司会者(以下MC) |
それでは早速お二人から、来日を果たしてのご挨拶をお伺いしたいと思います。まずはプロデューサーのデイビッド・ヘイマンさん、よろしくお願いします。。 |
デイビッド・ヘイマン |
みなさんいつもサポートを本当にありがとうございます。私は第1作目からずっと、5回日本に来ていますが、プロモーションツアーの中で日本に来ることをハイライトとしてとても楽しみにしています。日本のファンの方は本当にみなさん応援してくれて、しかもとても礼儀が正しい人ばかりです。日本に来るのは大きな楽しみです。 |
MC |
有難うございました。続きましてダニエル・ラドクリフさんです。 |
ダニエル・ラドクリフ |
本当に今デイビッドが言った通りだと思います。日本のファンは7年間ずっとサポートしてくださいました。常にサポートしてくれる気がして、国民全員がハリー・ポッターを受け入れてくれているような気がします。昨日のプレミアで直接ファンの皆さんにお礼が言えたのは嬉しいことでした。 |
MC |
どうも有難うございました。 |
質問 |
これまでの間にハリーはずいぶん成長しましたが、ダニエルさんはこのシリーズをずっと撮っていらして、ご自身のどの部分が成長したと感じられますか? |
ダニエル・ラドクリフ |
このシリーズを通して偉大な監督さんたちと仕事をすることができました。今回のデイビッド・イェーツ監督ももちろんですが、彼のような方から演技指導をしてもらって、俳優としてレベルの高い演技が徐々にできるようになってきたと思います。
これからも演技を磨いていきたいし、俳優として目標としているのは、出来るだけ大袈裟なことをやらずに微妙な演技でリアルに表現することです。そこに近づけていきたいと願っています。 |
MC |
デイビッド・ヘイマンプロデューサーにもお伺いしたいと思います。
シリーズ1作目からずっとダニエル・ラドクリフをはじめメンバーが成長していく姿を見てきたと思うのですが、心境はいかがですか? |
デイビッド・ヘイマン |
皆さんおそらく同じように考えていると思いますが、私たち制作側、監督、そして観客の皆さんも、彼らの成長を見ることがこの映画のハイライトになっている のではないでしょうか。そしてこれだけの成功を収め、これだけの注目を浴びながら、私が一番素晴らしいと思っていることは、いかに彼らが変わらずに来れたかということです。
7年半、彼をずっと見ていますが、彼の謙虚さ、親切心、そして誠実さは全然変わっていません。また映画に対する情熱も変わらないままです。最初の頃に興味があったのはプロレスでしたが、今では文学、クリケット、音楽、最近は女の子にも興味があるようです。これは今まで私が見てきた感想ですが、今は私の人 生にとって彼は非常に重要な友達だと思っていますし、一緒に時を過ごすのが楽しい友人です。 |
ダニエル・ラドクリフ |
デイビッドの発言に付け加えると、(僕たちが)地に足をつけてあまり変わらないでいられる理由は、デイビッドのような現場にいる方々が本当に僕たちをサポートしてくれたから です。
よく子役からスタートすると周りの大人たちがちやほやしたり扱いが変わり、それで問題がおきたりすることがありますが、でも監督、プロデューサー、スタッフは僕たちに普通の子供のように接してくれました。
もしそうでなければ違った性格になっていたかもしれませんが、両親や友達も常にサポートしてくれて正直に何でも言ってくれたからだと思います。 |
デイビッド・ヘイマン |
俳優としては、今までクリス・コロンバス、アルフォンソ・キュアロン、マイク・ニューウェルそしてデイビッド・イェーツと様々な監督と仕事をしてきまし た。それ以外の経験でも彼らは自分の人生の経験を積んできたので、そういった部分が作品の役柄の中に投影されていると思います。また今回のデイビッド・イェーツ監督は、特に皆と協力して信頼してこの作品を作っていました。彼らが今までの4作で同じ役柄を演じているということをよく分っていて、彼らの方から投じて くれる部分をとても大事にしてくれました。それが非常によく出ていると思います。 |
質問 |
日本のファンがサポートしてくれると言っていましたが、ファンレターも多いですか? |
ダニエル・ラドクリフ |
日本から本当に何百、何千というファンレターが届きます。世界中からもらいますが、その半分くらいは日本からだと思います。そしてその手紙の体裁が本当に美しくて、書かれていることも素敵で信じられないくらいサポートをしていただいています。
・・
実は本当に不思議なプレゼントをもらったことがあって、理解できなかったのですが、大きくなる耳(*)が送られてきたことがあるんです(会場から笑いが)。(通訳に「有名な耳なのよ」と耳打ちされ)みんな(日本では)あの大きな耳のことを知ってるんですね(笑)。オーケー、だったら良いんです(笑)。どうやって使うのか全く分からなかったんですよ(笑)。
*マギー伸司さんの「びっくりデカ耳」をもらったようです(笑) |
質問 |
お二人に質問です。キスシーンはどうだったのか、感想を教えて下さい。
次作でダニエルからもう1度キスシーンを入れて欲しいとのリクエストがあったらどうしますか? |
ダニエル・ラドクリフ |
キスシーンについては、皆さんから質問されますし・・(会場横の大きなスクリーンにキスの写真が表示されたのを横目で確認し)オーケー(笑)、ありがとう!(笑)・・みなさん何やら大ごとにしたいようですが、実際は大したことなかったのです。
僕もケイティも最初の2・3テイクは緊張したけれど、そのあとは他のシーンと同じように撮りました。みんなが聞きたいようなものではなかったのです。実際は演技しているわけなので、皆さんが期待している答えではないかもしれません。 |
デイビッド・ヘイマン |
ええと・・(答えに窮し、会場からは笑いが)ダニエルのことを10歳のころから知っているから、少し変な気分だったけれど、監督はこのシーンを撮る時にスタッフたちをセットから追い払いプライバシーを作ったんです。 そのため、私たちほとんどの関係者はモニターのまわりに集まって見ていました。
みんなダニエルのことを小さい頃から知っているので、多くの人にとってこのシーンは感動的 で、メイクのアマンダは目に涙を浮かべたほどです。私は泣きはしませんでしたが、非常に感動的な瞬間だったことを覚えています。
キスシーンに関しては、おそらく私たちや本人よりも、みなさんの方が大袈裟に考えていたのかなと思います。ダンはあまり自分からこうしたいと要求してこないので、与えられたものに対して自分 が最高の演技をすることを心がけているようです。
次作でキスをするのはダンではなくて、ロンの方ですね。 |
ダニエル・ラドクリフ |
事実をはっきりさせるために言いますが(会場から笑い)、デイビッドはいかにも舌をかなり深くまで入れた、という表現を使いましたが、僕は舌は使っていません!(笑)。 |
デイビッド・ヘイマン |
でもケイティは、「ダンはすごくキスが上手い」と言っていたよ(会場爆笑)。 |
MC |
ちなみにプロデューサー、次のロンのキスのお相手というのは・・? |
デイビッド・ヘイマン |
前回私たちは、オーディションで大成功をしたと思っています。(ルーナ・ラブグッド役の)エバナ・リンチさんのときは、3,000人ぐらいが集まるかなと思っていたところ、15,000人もの応募があり、適切な方を選ぶことができました。
ですので、今週と来週の週末にかけまして公開オーディションを行い、ロンのキスの相手のラベンダー・ブラウン役と、ヴォルデモートの頃のトム・リドル役を選ぶ予定です。 |
質問 |
ハリー・ポッターのシリーズは第1作目から非常に多くの日本の青少年や子供たちにメッセージを送ってきたと思いますが、今回はどのような強いメッセージが込められているのでしょうか? |
ダニエル・ラドクリフ |
日本のファンレターの中にも、この映画から友情や忠誠心、勇気をテーマとして受け取ったと書いてありましたが、今回にもそれは変わらず、”人間の強さ”もメッセージとしてあると思います。
映画の冒頭で、ハリーはヴォルデモートが戻ったことを知っているのに嘘つき呼ばわりされ、多くの人たちに信じてもらえないけれど、諦めずに真実を伝えようとします。それも一つのメッセージだと思います。
もう一つは“選択する”ことです。ゲーリー・オールドマン演じるシリウス・ブラックのセリフの中に「人間には明るい部分と暗い部分がある。どちらを選ぶかによってどういう人間かが分かる」というとても素晴しいセリフがあって、これも大きなメッセージの一つだと思います。
観客がこの映画のセリフを一つ持ち帰るとしたら、このセリフになると思います。 |
デイビッド・ヘイマン |
ダニエルが重要なシーンを言ってくれましたが、それ以外にもいくつか共感できる部分があると思います。その一つは、”ファンダメンタリズム(原理主義)”(根本原理を厳格に守る立場)です。魔法省やアンブリッジ、またはファッジ大臣の行動の中に現れていますが、自分のやり方しか絶対ではない、他の人の考え、ものの言い方を絶対に受け入れられないということが問題だと思います。
そしてもう一つは”愛の力”です。ハリーはとても愛されたということによって、人を愛することができます。ですからこの愛の力もメッセージの中で強く語られているところです。 |
質問 |
これまで自分とハリー役が実生活で混乱してしまい、魔法を使おうとしたことがありますか?(会場から苦笑が・・)
もしそうだったらどんな魔法を使いますか? |
ダニエル・ラドクリフ |
(質問内容に驚きの表情で・笑)え・・(答えに窮する・・)・・そういうことはないです(Not really!)。ハリーと僕は全く違う人物で、現場での撮影中はもちろんハリーになりきりますが、撮影していないときは完全に僕に戻っています。魔法を実際に使ってみたいという気持ちは皆なと同じようにありますが、残念ながら使えないというのが現場です。 |
デイビッド・ヘイマン |
もちろんダニエルはハリーではないですが、この二人の間にはかなりの類似点があると思います。彼は非常に礼儀正しく誠実で、自分が信じているものに関しては突き進んでいく気持ちがあると思います。謙虚だしとても良い人間だと思います。それに色々なものに好奇心を持っているし、そういった意味ではこの二人は似ていると思います。 |
ダニエル・ラドクリフ |
今魔法は使えないと言ったけれど、トランプの手品はできます。イエス!(会場笑い) |
質問 |
日本最高の920スクリーンで上映されることについて、いかがですか? |
デイビッド・ヘイマン |
とても興奮しています。もちろん「ハリー・ポッター」は日本で大変な成功を収めていて、この成功が今後もずっと続いて欲しいと思っています。多くの劇場で 公開されることによって、より多くの方々にこの映画を観ていただけると嬉しいです。私たちはこの映画を誇りに思っています。そして私たちが制作時に素晴ら しい経験をしたのと同じように、見ている方も楽しんでいただければと思います。 |
ダニエル・ラドクリフ |
本当にそれだけ多くの劇場で公開されるということは、それでけ多くの人たちに映画を観てもらえるチャンスだと思います。特に今作はとても誇りに思っているし、シリーズの中でベストだと思っています。デビッド・イェーツ監督は良い仕事をしてくれましたし、演技の面でもストーリーを語る上でもレベルが上がったと思いますし、この作品を通して新たなハリー・ポッターファンが増えてくれればいいと思います。
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記者会見感想
会見場のダニエル君は、ヘイマンさんがおっしゃっている通り、礼儀正しく誠実でユーモアがあり、気さくな感じの好青年でした。 「賢者の石」のあどけないサテライト記者会見と比べると、今回はキスの話題なども出て、5年間の成長を実感しました(笑)。
皆さまから寄せられた質問をご本人に直接お聞き出来なかったのは残念ですが、ダニエル君の内面の変化(や変わってない部分)などについて聞けたのは収穫でした♪
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