【ミナリマ独占インタビュー】ファンタビ最新作「魔法サーカスとフランス魔法省のセットは最高！」

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ミナリマのお二人は、大阪のトークショーと同じく、来日のために特別に誂えた、日刊予言者新聞のシャツとスカートで登場。

様々な会社と打合せ続きで多忙を極めているご様子でしたが（このインタビューも1時間遅れで始まりました笑）、ファンの皆様から募集した質問に、一つ一つ丁寧にお答えいただきました。

ハロー！ジャパン！

独占インタビュー内容

新作『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』で特に注目して観て欲しい劇中のデザインはどのアイテムでしょうか？それはどの場面に登場しますか？ネタバレ抜きでお願いします
ミナ：そうね。ネタバレしたら、こうなるから（クビになるというジェスチャー）笑。

リマ：これまで見たことのない魔法界のエレメントがあるので、それを見て欲しいよ。魔法界のサーカスとか、フランスの魔法省とか。この2つは、（新作の中で）一番素晴らしいセットだと思う。
それからニュートは今回、自分の本『幻の動物とその生息地』を出版している。ハリー・ポッターの1作目で僕たちが見た本だよ！

注目して欲しいフランスの魔法界ならではのデザインなどがあったら、教えて下さい。
リマ：（ニュート）の本のデザインは、本当に素敵だよ。

ミナ：（フランスの魔法省の）デザインをする時に、まず雰囲気（が重要なのでそれ）を決めたわ。ロゴのようなものから、全ての物の特徴（identity）を決めてデザインしたのよ。

リマ:フランスの魔法省のデザインは、アメリカのマクーザと同じように面白かった。
アメリカはアールデコ調だったけど、今回はフランスなのでアールヌーボー調のデザインなんだ。とても美しくてエレガントだよ。

作品を作る上で（デザインする上で）大切にしていることは何ですか？
ミナ:ストーリーね。すべては物語から始まるから。私たちが決める全ての事は、ストーリーを基にしているの。だから私たちは、全てを完全に理解しなければならないのよ。　たとえ脚本にしか書いてない部分であっても、それもきちんと理解しなければならないの。

リマ：それと、今では僕たちはファンとの交流があるから。（色々分析されるから）ファンのためにも正しくする必要があるんだよ。もし間違えたら・・（指摘されるから）笑。もちろん、許してくれるだろうけど(笑)。

ミナリマさんが作品を作り上げる中で、影響を受けている人物や作品を教えてください♪
ミナ：（ハリポタやファンタビの美術監督の）スチュアート・クレイグさんと、（ハリポタ8作のセット・デコレーションを担当した故）ステファニー・マクミランさんです。
スタイルではなく、仕事のやり方や彼らが大切にしていることに影響を受けたわ。つまり細部まで理解しようとしたり、物語を語る上で細部のこだわりが成功のかなめである点、（仕事上で）近道（手っ取り早い方法）をしないことなどね。

リマ：それに映画を作る時は、いくつかの部署のコラボレーションなので、協力しないといけないことも（影響を受けた）ね。

ミナ：彼らはお二人ともデザイナーとしてどのように仕事をすべきか教えてくれたし、ハリポタ以外の仕事でも彼らのように続けていきたいわ。

制作についての質問です。作品を作る時、手作業で作られている部分はありますか？またもしあれば、どの様な画材を使用しているのでしょうか？お二人が製作時に使うお気に入りの道具は何でしょうか？
ミナ:ハリー・ポッターを2000年に始めましたが、（その時は）私のパソコンの知識はとてもわずかでしたし、パソコンでできることはとても限られていました。この10年間で「フォトショップ」（写真・画像・デザイン編集ソフト）や一般的なPCについてずいぶん学びましたけど、でも私たちは常に手作業で行っています。

「忍びの地図」などすべての描画（drawing）は、ペンとインクで行っています。万年筆ではなく、ハリー・ポッターの羽根ペンのようなペンよ。描いたらコンピューターに取り込み、その後、通常はエイジング（aging＝古く見せる美術手法）などすべての作業を、手作業で行うの。それが古い本だとしたら、古く見せるためにエイジングするまでが私たちの仕事。ですから、多くの仕事を手作業で行っているわね。

リマ:僕たちの仕事は、「デザイン」、「プロデュース」、「エイジ」で、それらを任されて、手で行っているんだ。 使っているペンはDIPペンというものだよ。

ミナ：（DIPペンは）カリギュラフィー（西洋の書道）用のペンなの。筆を使う日本の書道とは違って、メタルで出来ているものよ。だから、それがお気に入りの道具ね(一同笑)。

リマ：（↓の写真のペンを取り出して）こういうペンだよ。このシャーペンは、『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』の時から使っているんだ。

ミナ:日本製よ。

リマ：だからとても大切なペンなんだ。

ミナ：（ペン自体は）どこにでもあるものですけどね笑。

リマさんご愛用のペン（この日もインタビュー中、ときどきこのシャーペンで絵を描いていました笑）ぺんてるP205　グリップのゴムはご自分で付けたとのこと　「有名なペンになった」と喜んでいらっしゃいました笑

ミナさんも同じシャーペンを使用♪リマさんが並べて下さいました

ローリングさんとミナリマさんとの間で、デザインが出来上がるまでの一連の過程を教えてください。
リマ：ハリー・ポッターのときは、彼女は執筆で忙しかったので、スタジオに来ることはあまりありませんでした。彼女は（来ても）「すばらしい！全てステキね」というような感じでした。ですが『ファンタビ』のときはちょっと違います。台本を書いていますので、以前より参加しています。でも彼女は「どのような形にすべきか」といったようなことは、言わないんだ。　 提案したり、デザインを始めるのは常に僕たちで、（あとは）監督と相談している。彼女はそれで満足なんだ笑。

寺島:完成する前の段階で、ローリングさんはお二人のデザインをチェックするのですか？
リマ：しないよ。
ミナ：しないわね。

寺島：それでいてミナリマさんのデザインに満足しているのですね？すごい！笑

リマ：そう願っているよ笑。なぜなら『ファンタスティック・ビースト』のチームは、ハリー・ポッターの時と同じなので、彼女は信頼しているんだ。彼女は僕たち全員のことを知っているし、悪くないことも知っているからね笑

色についての質問です。ミナリマさんは色使いがカラフルで、配色がとても素敵だなと思うのですが、デザインの色を決める時に気をつけていることなどはありますか？
リマ：僕はブラジル出身なので、明るい色を使いたい。ハリー・ポッターではそれ（明るい色の使用）が難しい時もあるので、最適な機会を探す必要があるけど、ウィーズリー（ウィザード・ウィーズ）の店は明るい色に最適だったね。 様々な場所で明るい色を使うことができた。でも物語がすべてなので、そのシーンにふさわしいかどうか確認しなければならないんだ。

寺島：ミナさんはどんな色がお好きなのですか？

ミナ：最初の頃はシンプルな色が好きでしたが、だんだんと変わってきて（cross over）笑。
リマ:僕の好きな色はグリーン。

ミナ:東京の地下鉄の・・

リマ：そう、「山の手線」の色が好き！（一同笑・お二人はこの日、山手線に乗って、このインタビュー会場=原宿までいらっしゃいました）　山手線のような明るい緑が好きなんだ笑。　グリーンは幸せにしてくれるから。元気が出るんだよ。ミナは？

ミナ：（悩みながら）何か1つの色を選ばなければならないのなら、赤ね。でも描く時は、チャコール（炭）や黒のインクを使うのが好き。

今まで作った作品の中で1番時間がかかったものは何ですか？
リマ：「忍びの地図」と「日刊予言者新聞」だね。（幾つものハリポタ映画で）何度もこの作品に戻ったから。

ミナ：でも同じ作品は１つもないのよ。常に（デザインを）磨いていくから。でもハリポタシリーズを通して考えると この２つだけど、1つの映画の中だったら、「ウィーズリーのお店」が一番時間がかかったわね。商品とかお店まるごとだから。全部で200〜300ぐらい作ったわ。時間が掛かるものから、すぐに終わるものまでまとめてね。映画（制作）では常に、すぐ解決していかないといけないのよ。全ての部署でね。

リマ:というのも、僕たちは常に5〜10ヶを同時にデザインしているから。だから急がないといけないんだよ笑。

『ハリー・ポッター』シリーズに出てくるミナリマさんの作品の中で、最初に作ったものは何ですか？
ミナ：ハリー・ポッターの手紙ね。皮肉なことに、ハリーにとってもあの手紙が最初の小道具でした。マグルの世界にいた彼の人生の中で、初めての魔法界のアイテムなので、（私たちとハリーの）どちらにとっても初めてで、重要なものなのよ。

リマ：ハリー・ポッターの手紙がなかったら、僕たちに何も起こらなかったと思う。
その手紙から（ハリー・ポッターの仕事を手掛けるようになり）全てが始まったんだ。

百味ビーンズのデザインが好きなのですが、この男の子は誰とか、なぜこのデザインの帽子にしたとか、理由はありますか？
リマ：ビクトリア時代の（商品の）パッケージの古い本を基にしてデザインしたと思う。（絵自体に）特に意味はないよ。可愛くて楽しいものにしたんだ。

ミナ：別のタイプでウィーズリーの店に自分たちが顔を出しているパッケージもあるのよ。

百味ビーンズ

ルーナ・ラブグッドの持ち物のクィブラーやメラメラメガネは印象的なデザインですが、何かモチーフがあったり、イメージしたものがあったのでしょうか？
ミナ：前にも「忍びの地図」や「ウィーズリーのお店」の話の時に言いましたが、私たちは小道具のデザインをするとき、常に（持ち主の）性格を考えないといけないの。
だから、この雑誌を作っているルーナの父親の性格を考えました。

彼が作っているのは、「普通conventional」の雑誌ではないでしょ。英国では「プライベートアイ」という突拍子もないことが書いてある雑誌があって、彼もそういう考え方なんだと思いました笑。「プライベートアイ」は、人生についてとても変わった見方をしているの。みんなから変だと思われているわ笑。

リマ：これは僕たちにとって、もう1つの大切な小道具なんだ。明るい色で楽しくしたよ。

ミナ：でもそんなに楽しいデザインでもないわ。むしろオーソドックスに近いと思う。

リマ：だけどとても面白い（comic）デザインだと思う。ルーナの父親は何ていうか、とても難解（esoteric）なんだ。だから僕たちは、そういう彼の性格を雑誌のデザインに表現したんだ。

『ザ・クィブラー』の付録のめらめらメガネ

続きはのちほどアップします！

[posted at JST 11/2・0:00/10/29/2018 ©ポッターマニア　無断転載禁止]

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