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本作は、地表から600km上空で突発事故が発生し、無重力空間（＝ゼロ・グラビティ）に放り出されてしまった宇宙飛行士2人（サンドラ・ブロックとジョージ・クルーニー）の、生存をかけた激闘を描いたスペース・サスペンス。主人公たちは限られた酸素と想像を絶する極限的状況の中、協力し必死に生き延びようとします。ハリー・ポッター8作を製作したデイビッド・ヘイマンさんが、本作のプロデューサーを務めています。

ベネチア国際映画祭で初披露され高評価を得たことで、トロント国際映画祭では人気チケットとなり、8日の上映会には出演者や監督・プロデューサーのほか、キュアロン監督の友人ギレルモ・デル・トロ監督や俳優のジェイソン・ベイトマンさん、人類初無重力の音楽PVを作ったことで有名なカナダ人宇宙飛行士クリス・ハドフィールドさんと、カナダ人女性初の宇宙飛行士ロベルタ・ボンダーさんが出席。ハドフィールドさんは「本作は宇宙の映像が素晴らしい。今度宇宙に飛ぶなら、ぜひサンドラ・ブロックと行きたい」とジョークを述べ、会場を笑いの渦に巻き込みました。

本映画祭はオスカー前哨戦の中でも重要視されており、観客は目利きが多いことでも知られていますが、最新VFXと3D技術を駆使した息を呑むような圧巻の映像に、観客は大絶賛。ロサンゼルス・タイムズ紙、エンターテインメント・ウィークリー誌、ワシントン・ポスト紙などメディアからも、「驚異の技術と熱い感動」、「最高傑作」、「映画の未来を見せてくれた」、「歴代最高のスペース・ムービー」、「作品賞の有力候補」、「アカデミー賞視覚効果賞、撮影賞、美術賞の受賞は確実」と賞賛を受けました。

本作はプリプロダクションの前にポストプロダクションを行うという、通常とは逆の手法で製作。撮影中サンドラさんはワイヤーで吊るされたり、様々な方向に体を回転させる装置の中に閉じ込められ、複数のカメラで顔のアップを撮影されたりと、苦労を強いられました。

上映後に行われた質疑応答では、キュアロン監督がサンドラさんに「（撮影は）辛かった。私ではなく、君がね」とねぎらうと、彼女は躊躇なく「ジェス（＝イエス）」と監督のメキシコ訛りの英語を真似して返答（笑）。 「とてもストレスがたまったし、辛くて孤立していた。でもこういう不満は、登場人物が何千回も経験するもの。それ（と同じもの）が感じられてラッキーだった」と観客に説明しました。

さらに「しばらくするとその不満を利用するようになった。（プロデューサーの）デイビッド（ヘイマン）やアルフォンソ（監督）に定期的に殺意を覚えたけど、それも役作りに利用したわ」と冗談を述べ、「憎しみや怒り・激憤を、スクリーン上で（演技に）変換した」と説明しています

『しあわせの隠れ場所』（09）でアカデミー主演女優賞を獲得したサンドラ・ブロックさんは、今作でも主演女優賞候補の呼び声が高くなっています。

『ゼロ・グラビティ』は全米で10月4日、日本では12月13日に公開。

【ストーリー】
地表から600km上空。すべてが完璧な世界。そこで、誰もが予測しなかった突発事故が発生。スペースシャトルは大破し、船外でミッション遂行中のメディカル・エンジニアのストーン博士（サンドラ・ブロック）と、ベテラン宇宙飛行士マット（ジョージ・クルーニー）の二人は、無重力空間《ゼロ・グラビティ》に放り出されてしまう。漆黒の宇宙で二人をつなぐのは、たった1本のロープのみ。残った酸素はあとわずか。地球との交信手段も断たれた絶望的状況下で、二人は果たして無事生還することができるのか…!?

ロサンゼルス・タイムズ紙　EW ハフィントン・ポスト　NYデイリー紙　[posted at JST 20:00/9/11/2013 © Pottermania　無断転載禁止]